私の前頭部が気になり始めた日からの記録

「あれ、なんだかおでこが広くなったような…?」そう感じたのは、30代半ばを過ぎた頃でした。毎朝、鏡で髪をセットする際、以前よりも生え際が後退しているように見え、特にM字部分が気になり始めたのです。最初は気のせいだと思いたかったのですが、日を追うごとにその感覚は確信に変わり、次第に大きな悩みへと発展していきました。友人との会話中も、相手の視線が自分の前頭部に注がれているのではないかと不安になったり、風の強い日には髪型が崩れるのを極端に恐れたりするようになりました。大好きだったオールバックのヘアスタイルも、いつしか避けるようになっていました。このままではいけないと思い、まずはインターネットで情報を集めることから始めました。「前頭部 薄毛」「M字 対策」といったキーワードで検索すると、AGAという言葉や、様々な治療法、ケア方法に関する情報が溢れていました。正直、どの情報が正しくて、自分に何が合っているのか、最初は混乱するばかりでした。それでも、諦めずに色々な体験談や専門家の意見を読み漁り、少しずつ知識を深めていきました。そして、まずは自分でできることから始めようと決意し、生活習慣の見直しとヘアケアの改善に取り組みました。具体的には、バランスの取れた食事を心がけ、睡眠時間を確保し、ストレスを溜めないように適度な運動を取り入れました。シャンプーも、頭皮に優しいアミノ酸系のものに変え、洗い方やすすぎ方も丁寧に行うようになりました。さらに、育毛剤の使用も始めました。効果が出るまでには時間がかかると分かっていましたが、毎日欠かさず続けることを自分に課しました。最初の数ヶ月は、目に見える変化はほとんどありませんでした。しかし、半年ほど経った頃でしょうか、鏡を見た時に「あれ?以前よりM字部分の産毛が濃くなったような…?」と感じるようになったのです。それは本当にわずかな変化でしたが、私にとっては大きな希望の光でした。それからも地道なケアを続け、少しずつですが、前頭部の状態は改善に向かっているように感じています。もちろん、完全に元通りになるわけではないかもしれませんが、悩んで何もしなかった頃に比べれば、今の自分はずっと前向きです。