失敗しない薄毛治療

知識
  • 薄毛対策としてのツボ押しという選択肢

    知識

    薄毛や抜け毛の悩みに対し、西洋医学的なアプローチとは異なる視点から注目されているのが、東洋医学に基づくツボ押しです。なぜ、体の特定の点を刺激することが、髪の健康に関係するのでしょうか。その根底には、東洋医学の基本的な考え方である「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスがあります。これらは生命活動を維持するための三つの要素であり、「気」は生命エネルギー、「血」は血液とその働き、「水」は血液以外の体液を指します。これらが体内を滞りなく巡ることで、私たちの健康は保たれています。髪の毛は、東洋医学では「血余(けつよ)」、つまり「血の余り」と考えられています。これは、体内の「血」が充実していて、その巡りが良ければ、髪にも十分に栄養が行き渡り、健やかに育つということを意味します。逆に、ストレスや疲労、栄養不足などで気・血・水の巡りが悪くなると、頭皮という「土壌」に栄養が届かなくなり、髪は細くなったり、抜けやすくなったりするのです。ツボ(経穴)とは、この気・血が流れる通路である「経絡(けいらく)」の上にある、いわばエネルギーの交差点のようなものです。この点を指で優しく刺激することで、滞っていた気や血の流れをスムーズにし、体全体のバランスを整えることができます。頭部だけでなく、手や足にあるツボを刺激することでも、巡り巡って頭皮の血行を促進させることが可能です。ツボ押しは、薬のような即効性はありませんが、副作用の心配が少なく、いつでもどこでも手軽に始められるセルフケアです。単に髪の問題として捉えるのではなく、体全体からのサインとして受け止め、その根本原因に働きかける。ツボ押しは、そんなホリスティックな薄毛対策への入り口と言えるでしょう。

  • 美容師が明かす薄毛ケアのトリートメント

    知識

    今回は、多くのお客様の髪の悩みに向き合ってきた現役美容師のKAIさんに、プロの視点から薄毛とトリートメントについてお話を伺います。KAIさん、薄毛に悩むお客様にトリートメントをお勧めすることはありますか。KAIさん「はい、もちろんあります。ただし、まずお客様に明確にお伝えするのは、私たちの提供するトリートメントは『髪を生やす』ものではない、ということです。その上で、薄毛の悩みを緩和するために二つのアプローチがあることを説明します」。二つのアプローチとは、具体的にどのようなものでしょうか。KAIさん「一つは『頭皮環境の正常化』です。薄毛の原因の一つに、乾燥や皮脂の過剰分泌、血行不良といった頭皮環境の悪化が挙げられます。サロンでは、専用のクレンジングで毛穴の汚れを落とし、保湿成分や血行促進成分が配合されたスカルプ用トリートメントでマッサージを行います。いわば、髪を育てるための畑を耕し、良い土壌を作る作業ですね。これにより、これから生えてくる髪が健康に育つためのサポートをします」。もう一つのアプローチは何ですか。KAIさん「もう一つは『既存毛の強化とボリュームアップ』です。髪が細くなったり、ハリ・コシがなくなったりすると、髪の本数が同じでも薄く見えてしまいます。そこで、髪の内部にケラチンなどの栄養を補給するヘアトリートメントを行うことで、一本一本の髪をしっかりさせ、擬似的に太く見せることができます。また、シリコンなどで髪の表面をコーティングすることで、指通りを良くし、物理的なダメージから髪を守る効果もあります。これにより、髪全体のボリューム感がアップし、スタイリングもしやすくなります」。市販のトリートメントを選ぶ際のポイントはありますか。KAIさん「ご自身の悩みが、頭皮にあるのか、髪の毛にあるのかをまず見極めることです。頭皮の乾燥やかゆみが気になるなら『セラミド』や『グリチルリチン酸』などが配合された頭皮用を。髪のダメージや細さが気になるなら『ケラチン』や『ヘマチン』などが配合された髪用を選ぶと良いでしょう。目的を明確にすることが、賢い製品選びの第一歩です」。