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美容師が明かす薄毛ケアのトリートメント
今回は、多くのお客様の髪の悩みに向き合ってきた現役美容師のKAIさんに、プロの視点から薄毛とトリートメントについてお話を伺います。KAIさん、薄毛に悩むお客様にトリートメントをお勧めすることはありますか。KAIさん「はい、もちろんあります。ただし、まずお客様に明確にお伝えするのは、私たちの提供するトリートメントは『髪を生やす』ものではない、ということです。その上で、薄毛の悩みを緩和するために二つのアプローチがあることを説明します」。二つのアプローチとは、具体的にどのようなものでしょうか。KAIさん「一つは『頭皮環境の正常化』です。薄毛の原因の一つに、乾燥や皮脂の過剰分泌、血行不良といった頭皮環境の悪化が挙げられます。サロンでは、専用のクレンジングで毛穴の汚れを落とし、保湿成分や血行促進成分が配合されたスカルプ用トリートメントでマッサージを行います。いわば、髪を育てるための畑を耕し、良い土壌を作る作業ですね。これにより、これから生えてくる髪が健康に育つためのサポートをします」。もう一つのアプローチは何ですか。KAIさん「もう一つは『既存毛の強化とボリュームアップ』です。髪が細くなったり、ハリ・コシがなくなったりすると、髪の本数が同じでも薄く見えてしまいます。そこで、髪の内部にケラチンなどの栄養を補給するヘアトリートメントを行うことで、一本一本の髪をしっかりさせ、擬似的に太く見せることができます。また、シリコンなどで髪の表面をコーティングすることで、指通りを良くし、物理的なダメージから髪を守る効果もあります。これにより、髪全体のボリューム感がアップし、スタイリングもしやすくなります」。市販のトリートメントを選ぶ際のポイントはありますか。KAIさん「ご自身の悩みが、頭皮にあるのか、髪の毛にあるのかをまず見極めることです。頭皮の乾燥やかゆみが気になるなら『セラミド』や『グリチルリチン酸』などが配合された頭皮用を。髪のダメージや細さが気になるなら『ケラチン』や『ヘマチン』などが配合された髪用を選ぶと良いでしょう。目的を明確にすることが、賢い製品選びの第一歩です」。