鏡を見るたびに、ぺたんこになった自分の髪にため息をつく。それが私の日常でした。もともと髪が細く猫っ毛な上に、30代を過ぎてからトップのボリュームがどんどん失われ、分け目が以前よりも目立つようになったのです。髪が薄くなったというより、髪一本一本に元気がなく、全体がしぼんでしまったような感覚。朝、どんなに頑張ってブローしても、午後にはその努力は水の泡。このままでは、実年齢よりずっと老けて見えてしまう。そんな焦りから、育毛剤や高価なシャンプーを試しましたが、劇的な変化は感じられませんでした。半ば諦めかけていた時、美容師の友人から「髪の毛そのものより、その土壌である頭皮をケアしてみたら?」とアドバイスを受けました。そして勧められたのが、「スカルプトリートメント」でした。正直、トリートメントは髪をサラサラにするもの、という認識しかなかった私は半信半半疑。しかし、友人を信じて、頭皮用の保湿成分がしっかり入ったトリートメントを使い始めました。シャンプーの後、指の腹を使って頭皮全体にトリートメントを馴染ませ、優しくマッサージする。そのひと手間が、最初は面倒に感じましたが、続けるうちに頭皮が柔らかくなっていくのが分かりました。そして一ヶ月が過ぎた頃、明らかに変化が現れたのです。ドライヤーで髪を乾かすと、根元がふんわりと立ち上がる。一日中、そのボリュームが持続するようになりました。髪にハリとコシが戻ってきたことで、分け目も以前ほど気にならなくなったのです。それは、髪が生えたわけではありません。でも、今ある髪一本一本が元気になったことで、見た目の印象が全く変わりました。私の悩みは、本当の薄毛ではなく、髪と頭皮の元気が失われていただけだったのかもしれません。あの時、トリートメントとの新しい出会いがなければ、私は今も鏡の前でため息をつき続けていたことでしょう。
私の髪を変えたトリートメントとの出会い